(中国)上場不動産142社の物件在庫が21%増、総額42.6兆円
上海と深センに上場する不動産企業142社の物件在庫は、今年9月末時点で合算約2兆3000億人民元(約42兆6400億円)に膨らんだ。前年同期の1 兆9000億人民元と比較し、4000億人民元(21.1%)増えている。設立年数が古い大手4社の在庫レベルは、それぞれ万科企業 (000002/SZ、2202/HK)が3512億3500万人民元、保利地産(600048/SH)が2750億2200万人民元、招商地産 (000024/SZ)が943億5000万人民元、金地集団(600383/SH)が862億2400万人民元に達した。4社の合算で8068億 3100万人民元(不動産企業全体の35%)に上る。証券日報が3日、Wind資訊(金融経済情報ベンダー中国最大手)などの統計として伝えた。
在庫の積み上がりは、2013年当時の住宅相場急伸によるもの。業界大手を中心に、多くの建設地を各地で高値落札した。一方、14年は相場が軟化。先高観が後退するなか、売れ行きが鈍化し、在庫を多く抱え込むようになった。
中国本土では、不動産価格の下落が続いている。主要100都市の14年10月新築住宅価格は、前月比で0.40%安い1平米当たり平均1万629人民元(約19万6200円)に低下した。前月比での下落は6カ月連続となる。中国指数研究院が10月31日に報告した。
前年同月比では0.52%安に低迷し、23カ月ぶりの下落に転じた。ただ、前月比で見た場合、下げ幅は縮小(↓0.52ポイント)している。価格が下落し た都市の数も、前月の79都市から73都市へと減少。下げ幅が1%を超えた都市の数は42都市から37都市に減った。中国政府が9月末、住宅ローン規制の 緩和を打ち出したことが背景にある。
北京や上海など10大都市の新築住宅価格は1万8932人民元。前月比の下げ幅は、9月の1.23%から0.31%(↓0.92ポイント)に縮小した。前年同期比では、上げ幅が9月の4.46%から2.15%(↓2.31ポイント)に鈍化している。